『中間管理録 トネガワ』カイジのスピンオフ、利根川の苦悩を描いたギャグマンガ【ネタバレなし】
試し読み後、全巻を大人買いしました。
賭博黙示録カイジや実写映画で圧倒的な存在感を放っていた利根川幸雄を主人公としたスピンオフ作品で、本編とは大きく逸したギャグマンガになっています。
概要
『賭博黙示録カイジ』の登場人物の1人・利根川幸雄を主人公としたスピンオフ作品。
時間軸としては「賭博黙示録」以前、大勢の黒服たちを束ねる帝愛グループ幹部でありながら、暴君・兵藤会長のご機嫌を最も身近で気にしなくてはならない、いわば中間管理職である利根川の苦悩と葛藤がコミカルに描かれている。
原作:萩原天晴・漫画:橋本智広、三好智樹・協力:福本伸行、月刊ヤングマガジンにて連載中。
意外過ぎる帝愛グループの内情
カイジに立ちはだかり続ける宿敵・帝愛グループを舞台に、冷酷な闇の組織の内部は
意外と人間臭い企業だったという内容になっています。
基本的には利根川の苦悩が描かれていくのですが、そのパターンがとても豊富。
物語は兵藤会長から指示された中間管理職的な立ち位置にいる利根川が
会長を楽しませる催し(後の限定じゃんけん)を企画するところから始まります。
利根川は部下たちと協力せねば出世できない立場ながら、
頼りの部下たち(本編でも度々登場した黒服たち)は実はポンコツの集まりだった。
試し読みはこの話まででしたが、これだけで心を掴まれました(笑)
見た目が似たり寄ったりの黒服たちが強烈な個性を持っている。カイジを読んだことのある人にはそれだけでも話として面白いのに、利根川や福本漫画特有の構文を絡ませたギャグのキレが良く自然と笑ってしまう。
カイジシリーズのように社会的地位が低い人間や借金などのワードが出てこないため、話に重さを感じない福本ワールドがギャグマンガとしてマッチしています。
純粋にギャグマンガとして面白いため、シリーズを知らない人にでもお勧めしたい作品です。